「自然溢れる東京諸島を、その雰囲気も大切にしながら撮影してきてほしい」

「しまぽ通貨」事務局より、東京諸島撮影の任務を受けたカメラマンの僕は、
5月4日、東京の竹芝に来ていた。
今日は僕の東京諸島巡り幕開けの日。
これから数週間かけて各島の写真撮影を行う旅をする。

 


島の撮影旅は、都心から一番近い大島から始めることにした。
竹芝から高速船で約1時間45分。
船から見た大島は、想像を上回る大きさだった。

早く撮影したい!という気持ちを抑えて、
まずは「しまぽ通貨」が使える加盟宿泊施設にチェックイン。
4月23日に販売開始したばかりだけど、
すでにけっこうな人が使っているらしい。
宿の人の笑顔に見送られ、早速、写真撮影をスタート。

 

宿の近くの、何気ない風景を撮影しただけなのに、
カメラを構えた瞬間、驚いた。
光の質感がまったく都内と違うのだ!
何というか、光がキラキラしている…?
木洩れ日を撮影しただけなのに、
まるで妖精がでてくるかのような神秘的な世界が僕の前に広がった。

 

たった2時間弱、船に乗って南下しただけなのに、
光の加減で景色がこんなに違うなんて!
この衝撃はぜひ皆さんにも味わってほしい。

 

感動しながら向かったのは島のシンボル・三原山。
三原山は活火山で、僕をはじめ島の外の人からしてみたら、
自分が住んでいる島の中心に、
噴火を起こす可能性がある活火山があるってことは、結構な恐怖だと思う。
しかし、島の人たちの考え方は違っていて、
彼らにとって火山は神聖なもの。
その噴火は「御神火(ごじんか)」で、とてもありがたいものなのだそう。

 

信仰が深く島に根付いていることに、
同じ東京都内でも文化の違いを感じた。

 

次に訪れたのは、島の南にある波浮港。
僕が訪れたときは人がほとんどいなくて、
大島の中でとりわけ静まり返ったこの港と海がとても新鮮に映った。

 

また、波浮港周辺は、川端康成の「伊豆の踊子」の舞台でもある。
昔、小説を読んだことがある僕にとって、
物語の世界が目の前の光景と一致していく体験は感動ものだった。
大島に行く際は、ぜひ小説を読んでから行くことをお勧めします!

 

さて、宿では無事に「しまぽ通貨」で宿泊費を決算できました。
自分のスマートフォンに電子スタンプが「ポンッ」と押された時、
小さな感動がありました(笑)。
とても簡単なので、僕のように東京諸島を巡る人は、
最大の8セットまで購入しても良いかもしれませんね。

 

僕の旅はまだまだ続きます。
撮影した写真は、このホームページで活用されていくのでお楽しみに!

 

(撮影・文 フリーカメラマン:橋本越百)