22:00@竹芝。
2回目の撮影旅の始まり。
前回は初島旅だったこともあり、結構緊張していたが、
今回はラフな気持ちで船に乗り込む。
これから、神津島・式根島・新島へ。
アイランドホッピングツアーもあるこの3島は、島同士の距離が近く、
それぞれの島をつなぐ船も安い運賃で運航していて巡りやすい。
まずは神津島に上陸。
天上山の撮影をするために登山開始。
朝着いた直後で、45度の斜面がきつい。
鬱蒼とした道を抜けると、
そこには高い木が生えない森林限界の世界が。
重い器材もあり、自分の体力も限界へ。
ヒィヒィ息をしながらも、雄大な自然にカメラを向けつつなんとか登頂。
山頂には池が一つ。雨が降らなければ枯れてしまう不動池だ。
その池の中心は小島になっており、そこには、龍神様が祀ってあるとか。
空の青さが池に反射して、そこから綾なされる青の共鳴が、
自然というキャンバスにしか成せない色どりで、とても心を奪われた。
登頂までの疲れもそこで癒えていくのを感じた。
そして次の島・式根島へ移動。
神津島から式根島までは船で約1時間、ジェット船なら約30分で着く。
式根島は温泉パラダイス。
まずは地鉈温泉。
地面を鉈で割ったような地形をしていることが由来。
地鉈温泉まで続く長い下りの階段を降りていくと、
視界に広がるV字の谷間が圧巻。
まさに「秘湯」だ。
そして地鉈温泉と同じ泉質の松が下雅湯。
地鉈温泉は、足場が自然の岩場のままで野湯感満載だったけれど、
こちらの温泉は整備されているから、誰でも楽しめる。
実際におじいさんおばあさんだけでなく、
小さい子もみんな笑顔で、心まで温まる情景だった。
3つ目の足付温泉は松が下雅湯からすぐ近く。
地鉈温泉や松が下雅湯とは異なる無色透明。
目前に広がる深く碧い海は、入江が多く松島のようなリアス式海岸で、
それを眺めながらの入浴は、
地球が生きているのを感じている気がして、なんとも贅沢な時間だなあと思った。
島の飲食店での食事。
しまぽ通貨が使える分、少し贅沢に食事ができるのもありがたい。
注文後に店主が庭に生えている明日葉を採ってきて調理してくれた。
採れたて新鮮、こんな体験ができるのも、島ならではだろう。
そして式根島から新島へ移動。
連絡船で約10分程度の距離。
新島は全てがコーガ石。
まず、お世話になった宿がコーガ石造り。
築80年で、その異質な外観とは裏腹に、内装は一般的な和室で落ち着くたたずまいだ。
新島内を移動するのに、レンタサイクル店で自転車を借りた。
ここでもしまぽ通貨が利用できた。
他にもしまぽ通貨の使えるお店を見かけるとついつい寄り道したくなる。
新島の象徴、モヤイ像しかり、
家庭のかまどや生活の中のありとあらゆるものが、
コーガ石でできている。
他の島とも全く雰囲気が違うのは、
このコーガ石の建造物が織りなす景観だからだろう。
長い白浜が続く海岸は、
サーファーのメッカ、羽伏浦海岸。
特に70年代は離島ブームで、当時の若者がよく集まったそう。
そのためか、70年代の雰囲気を漂わせるものが散見されフォトジェニックだ。
6泊7日の神津島・式根島・新島を終え、
僕の撮影旅も残すところあとわずか。
(撮影・文 フリーカメラマン:橋本越百)