普段の生活は時の流れも早く、慌ただしく日々を過ごしているのではいでしょうか。
更に近づいてくる「師走」は一年で一番忙しい月とも言われていますが、まとまった休みがとれる年末年始くらいはゆっくり羽を伸ばしたいですね。
ここでは東京諸島で行われている、年始の特別な行事をご紹介したいと思います。
利島:ジックワ火
ジックワ火とは利島ならではのお正月の行事です。大晦日の阿豆佐和気命神社の境内では氏子や各家の戸主神社が集まり、お神酒をいただきます。他の参拝客はジックワ火(薪)を囲みながら年明けを待ちます。そして、新年を迎えると同時に、拝殿の太鼓が打ち鳴らされます。太鼓の音が鳴り始めると、「ジックワ!」という掛け声がかけられ、ジックワ火を点火し、「ジックワ火の歌」と共に、新しい年の幕開けを祝います。
利島:山廻り
利島の正月三が日は山廻りをする慣わしがあります。島に三ヶ所ある神社を、一番神様、二番神様、三番神様の順に参拝し、お米とお神酒をお供えします。阿豆佐和気命本宮が一番神様で、南ヶ山園地の手前100mほどのところにあります。二番神様の大山小山神社は、阿豆佐和気命本宮から少し歩いたところにあります。ウスイゴウ園地の下にある下上神社が三番神様で、阿豆佐和気命の妃を祀っています。昔は大半の人が徒歩で廻っていましたが、今では自家用車でお参りする人がほとんどです。
三宅島:船祝い
年始(1月2日)に島内の五ヶ所の漁港で順次催される「船祝い」は、1年の豊漁と船舶の安全を願って行われる三宅島の風物詩です。鮮やかな「大漁旗」が掲げられ彩られた各漁船の船主さんから、漁港へ集まった皆さんに向けてみかんやお菓子などが撒かれます。お年寄りから子どもまでみんな楽しそうにそれらを拾い、年の中でも活気に溢れ華やかな日になる島の伝統行事です。
父島・母島:日本一早い海開き
亜熱帯性気候で正月もあたたかい小笠原では、1月1日に父島と母島そろって「日本一早い」海開きを行います。まず始めに神事により、海の安全を願って祈祷します。その後毎年恒例の餅まきやウミガメの放流、郷土芸能などの披露があります。海開きに参加すると「初泳ぎ証明書」を発行してもらえるなど、島民はもちろん観光客でも楽しむことができるプログラムが沢山組まれた、一年の門出に相応しいとても華やかな行事です。
母島:日本一早い初日の出
日本で一番早く初日の出が見られる場所が、実は東京諸島の母島です。特に日の出が見られる南崎が見渡せる日本最南端の故郷富士である「小富士」からの眺望は素晴らしく、初日の出登山が人気です。母島はこの初日の出を見に来る人々で年末年始は大変混みあいます。
東京諸島のどの島も特徴ある行事が行われ、いつもとは違った過ごし方ができそうですね。
のんびりと、そして新しい体験をしに、年末年始を東京諸島で迎えてみてはいかがでしょうか。
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