野鳥の生息密度がとても高く、別名バードアイランドと呼ばれている三宅島。
「日本一のさえずりの小径」とも言われる大路池の周囲の原生林には200種類以上の野鳥が生息していることから、バードウォッチングのメッカとして有名です。また、野鳥の”密度”は「日本一」と言われており、富士山麓の森と大路池周辺の鳥の生息密度の比較では大路池のほうが4倍も多いと言われています。
中でも国の天然記念物であり絶滅危惧種として指定されている希少な鳥「アカコッコ」を一目見たいと国内はもとより海外からも観光客が訪れています。

「アカコッコ」は伊豆諸島とトカラ列島のみで生息する日本固有のツグミの仲間です。
全長23cm、頭部と胸は黒く、お腹は赤褐色で、目の周りの縁取りやくちばしの黄色がよく映え、愛くるしい顔つきが魅力の野鳥です。三宅島では「アカッパラ」の愛称でも親しまれています。

アカコッコはかつて、島のいたるところで見られる野鳥でした。
しかし、ネズミ駆除のためのイタチの放獣や、餌場となる畑の減少などの影響でアカコッコにとって過ごしにくい生活環境へと変化してしまったため、生息数が減少してしまいました。
そこで、三宅村の鳥として指定されているアカコッコを島民で守り、増やしていこうとする「アカコッコ・プロジェクト」が2008年に発足されました。

島をあげてのプロジェクトで、島内のボランティアと日本野鳥の会のレンジャーが協力し、地道な個体数調査や自然環境の調査、アカコッコのための住みやすい森づくりを日々行っています。
その結果、アカコッコの個体数の増加も確認でき、明るい兆しが見えてきました。

三宅島の自然を多くの人に知ってもらうために1993年に大路池のほとりの森に設立された、自然観察施設「アカコッコ館」では三宅島の自然情報の提供や、自然観察会の開催、三宅島で見られる野鳥や植物・海の生きものを紹介する展示、調査・研究などの活動を行っており、アカコッコについての詳しい展示もされています。

豊かな自然に囲まれた三宅島で大切に保護されている「アカコッコ」にひと目会いに行ってみてはいかがでしょうか。
チャーミングな見た目と明るい鳴き声で、癒されること間違いなしですよ。

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